宝暦事件 山崎闇斎 日本史上初の尊王論者弾圧事件 1758年
宝暦事件とは、1758(宝暦8)年、9代将軍徳川家重の時代に、尊王論者の竹内式部が天皇や公家たちに尊王論を講義していることが摂関家の一条道香によって江戸幕府に密告され、竹内式部が京都を追放されることになった事件。日本史上初の尊王論者を弾圧した事件といわれている。
垂加神道を学んだ尊王論者の竹内式部は、幕府の専制に対し強い不満を持っていた復古派の公家たちに、神道や儒学の書物などを使って、尊王論について講義を行っていた。公家たちは、当時10代だった若い桃園天皇にも竹内式部の講義を聴講するよう勧めた。
この状況に危機感を募らせたのが、朝幕関係の安定化を図る摂関家の一条道香だった。一条道香は、尊王論が朝廷内に広がり朝廷と幕府の関係が悪化するのを恐れ、京都の幕府の出先機関である京都所司代に告発した。
幕府は竹内式部の行動を危険と判断し、京都から追放。そして、尊王論を学んだ復古派公家8人を謹慎処分とした。
この宝暦事件は、日本の歴史上初めてとなる尊王論者の弾圧事件であった。