江戸幕府 奉書船貿易
朱印状の交付は次第に特定の大名や幕府と関係の深い豪商にしか認められなくなっていく。
そのため、各地の大名や幕府の家臣の中には、朱印状を持たずに無断で貿易をする者が出てくるようになった。
また、1628年にはタイで朱印船がスペイン船に攻撃される事件が起こる。幕府はこれを将軍の権威が傷つけられたと捉えた。
このような事態に対処するために、幕府は1631年に朱印状を廃止し、その代わりに老中が連名で署名した奉書を交付するという制度を始めた。
貿易船は、この奉書に基づいて長崎奉行が発行した渡航許可証を持つことが必要となった。こうした貿易船を奉書船という。